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IMATとは?試験科目・問題数・出題範囲・対策方法を徹底解説

このページの内容
  1. IMATとは
  2. IMATで出願できる大学
  3. IMATの試験形式・科目別問題数
  4. IMATの配点と最低基準点
  5. IMATの科目別出題範囲
  6. 年度による出題構成の変更
  7. 出願から結果発表までの流れ
  8. IMATの対策方法
  9. よくある質問
  10. IMATを本番形式で体験する
  11. あわせて読みたい
  12. IMATを実施している大学について
  13. 次のステップ:IMATの対策方法を確認する

IMAT|EXAM INFORMATION

IMAT(International Medical Admissions Test)は、イタリアの国立大学医学部・歯学部・獣医学部の英語コースへの入学を決める共通入試です。本記事の試験形式・配点・出題範囲は、イタリア文部省令 D.M. n.599(2025年8月7日)および同附属書Allegato Aに基づいています。

この記事で分かること

本記事の信頼性

mirunote個別指導講師

mirunote共同代表・個別指導塾長。当サイトでは、イタリア医学部入試の情報や点数の上げ方・ノウハウを発信しています。プロフィールはこちら。

イタリアの国立大学で英語コースの医学部に進学するには、IMATと呼ばれる共通入試を受験する必要があります。

IMATの大きな特徴は、1回の試験の結果で、複数の国立大学の合否が同時に決まるという点です。大学ごとに個別の試験を受けるのではなく、全国共通の1つの試験の点数で順位がつき、志望順に沿って配属先が決まります。

つまり、年に1度きりのこの試験に、どれだけ仕上げた状態で臨めるかがすべてになります。

この記事では、IMATがどのような試験なのか、試験科目・問題数・配点・出題範囲、そして出願から結果発表までの流れと対策方法までを、イタリア文部省が公布した省令に基づいて解説します。

IMATとは

IMAT(International Medical Admissions Test)は、イタリアの国立大学が実施する英語コースの医学部・歯学部・獣医学部への入学者選抜試験です。イタリア文部省(MUR)が試験内容を定め、毎年1回実施されます。

試験はすべて英語で行われます。イタリア語の能力は問われません。そのため、イタリア語を学んでいない受験生でも出願できるのが、イタリア医学部留学がひらかれている大きな理由になっています。

項目内容
正式名称International Medical Admissions Test(IMAT)
対象課程医学部(Medicine and Surgery)、歯学部、獣医学部の英語コース
実施主体イタリア文部省(MUR)
実施回数年1回
試験言語英語
試験形式5択のマークシート方式(紙媒体)
問題数・試験時間60問・100分
満点90点

※ 2026年度(2026年9月30日実施)の試験内容を定める省令は、本記事執筆時点ではまだ公布されていません。本記事の数値は、直近で公布されたD.M. n.599(2025年8月7日)に基づいています。最新の省令が公布され次第、内容を更新します。

IMATが他のイタリア医学部入試と違うところ

イタリアの私立医学部は、それぞれ独自の入試を実施しています。たとえばサンラファエル大学は60問中36問が論理と英文読解、ビオメディコ大学は生物・化学・物理の3科目のみ、というように形式がまったく異なります。

これに対してIMATは、国立大学の共通試験であり、生物23問・化学15問・物理数学13問と、理科の比重が非常に高いのが特徴です。論理的推論は5問、読解・一般教養は4問にとどまります。

また、IMATには私立入試にはない大きな利点があります。文部省が公式シラバスと過去問を公開していることです。何をどこまで勉強すればよいかが明確な、数少ない試験だといえます。

IMATで出願できる大学

IMATのスコアは、イタリア各地の国立大学の英語コースへの出願に使われます。代表的な大学には、パヴィア大学、ミラノ大学、ボローニャ大学、ローマ・ラ・サピエンツァ大学、トリノ大学、パドヴァ大学、ナポリ大学、バーリ大学、メッシーナ大学、そして新たに英語コースを開設したフィレンツェ大学などがあります。

出願時に志望校を順位づけして登録し、試験の点数による全国順位に従って配属先が決まります。上位で合格すれば志望順位の高い大学に入りやすくなり、点数が伸びなければ志望順位の低い大学に回るか、そもそも定員に届かないことになります。

※ 英語コースを開設する大学と定員は年度ごとに変わります。出願前に必ず、その年の省令および Universitaly の公式情報で最新の一覧をご確認ください。

EU枠とNon-EU枠

IMATの定員は、EU市民等を対象とする枠と、イタリア国外に居住するNon-EU市民を対象とする枠に分かれています。日本から出願する多くの方はNon-EU枠での受験となります。

枠によって定員数が異なるほか、後述する最低基準点の扱いにも違いがあります。

IMATの試験形式・科目別問題数

IMATは、5つの分野から合計60問が出題されます。試験時間は100分です。

試験科目問題数全体に占める割合
Reading Skills and Knowledge Acquired through Studies
(読解力・学習を通じて得た知識)
4問約7%
Logical Reasoning and Problems
(論理的推論と問題解決)
5問約8%
Biology(生物)23問約38%
Chemistry(化学)15問25%
Physics and Mathematics(物理・数学)13問約22%
合計60問100%

1問につき5つの選択肢から1つを選びます。物理と数学は分かれておらず、合わせて1つのセクションとして13問が出題されます。

科目ごとの制限時間はありません

IMATでは、セクションごとに時間が区切られていません。100分をどう配分するかは受験生自身の判断に委ねられます。

HUMATのようにセクションごとに制限時間が設定されている試験とは、必要な時間管理の考え方が大きく異なります。配点の大きい生物・化学を先に確保し、時間のかかる物理・数学の計算問題を後回しにするといった戦略が有効です。

IMATの配点と最低基準点

IMATの採点は、正答に加点、誤答に減点が入る方式です。

項目配点
正答+1.5点
誤答−0.4点
未解答0点
満点90点

最低基準点(20点)

EU枠およびそれに準ずる受験生の場合、90点満点中20点以上を獲得しなければ順位表に掲載されません。

一方、イタリア国外に居住するNon-EU枠の受験生は、この20点の基準を免除されます。ただし0点を上回る必要があり、1問も解答しなかった場合は除外されます。

同点だった場合の順位

同点の場合は、以下の順に各セクションの得点が比較されます。

  • ① 生物
  • ② 化学
  • ③ 物理・数学
  • ④ 論理的推論
  • ⑤ 読解力・学習を通じて得た知識

それでも同点の場合は、指定された語学資格の保有、障害等の証明、年少者の順で判定されます。

同点時に最初に参照されるのが生物である点は重要です。生物の完成度は、得点そのもの以上の意味を持ちます。

減点方式を踏まえた解答戦略

誤答の減点は−0.4点で、正答の+1.5点に対して比較的重い設定です。5択のため、完全にランダムに解答した場合の期待値はマイナスになります。

選択肢を2つ以上消去できない問題は、空欄のまま残すほうが有利です。逆に、2択まで絞り込めているなら解答したほうが期待値は高くなります。この判断を本番で瞬時に下せるかどうかが、最終得点に効いてきます。

IMATの科目別出題範囲

IMATの出題範囲は、文部省令の附属書(Allegato A)として公布されています。イタリアの高校卒業程度の内容が対象です。

以下は各科目の出題範囲の要点です。

試験科目主な出題分野
読解力・学習を通じて得た知識英文読解(語彙・結束性・情報抽出と推論)、歴史的文化的事象の時間的空間的位置づけ、国内外の主要機関、法・経済・市民生活に関わる事象
論理的推論と問題解決記号または言葉で示された前提からの推論、抽象的な問題の処理
生物生体の化学と生体分子、酵素、細胞と細胞小器官、細胞膜と物質輸送、細胞周期と分裂、バイオエネルギクス(ATP・光合成・解糖系・呼吸・発酵)、生殖と遺伝、メンデル遺伝、分子遺伝学、ヒト遺伝学、進化、バイオテクノロジー、ヒトの解剖生理と恒常性
化学物質の構成、理想気体、原子構造、周期表と周期的性質、化学結合、無機化合物の命名と性質、化学量論、溶液と濃度、化学平衡、反応速度と触媒、酸化還元、酸と塩基とpH、有機化学の基礎
数学数と代数、指数と対数、多項式と因数分解、方程式と不等式、関数とグラフ、幾何、三角法、解析幾何、確率と統計
物理物理量と測定、運動学、力学(運動の法則・仕事とエネルギー・運動量)、流体力学(ベルヌーイの式を含む)、熱力学、電磁気

※ 上記は要点をまとめたものです。各科目の詳細な出題項目は、IMAT模試とは?試験科目・出題範囲・出題基準・申込方法も解説で、公式シラバスの全項目を分野別の表にまとめています。

公式シラバスはイタリア語のみで公布されています

IMATの公式シラバス(Allegato A)は、イタリア語のみで公布されており、英語版の公式シラバスは存在しません。各大学が公表する募集要項の英語版に、科目別の問題数と配点の記載があるのみです。

年度による出題構成の変更

IMATで注意が必要なのは、科目別の問題数がこれまでに複数回変更されていることです。古い年度の情報を参照して対策すると、配分を大きく誤ります。

年度読解・一般教養論理生物化学物理・数学
2021/22年度12問10問18問12問8問
2022/23年度10問10問15問15問10問
2023/24年度以降4問5問23問15問13問

大きな流れとしては、一般教養と論理の比重が下がり、生物の比重が大幅に上がったといえます。2021年度には22問あった読解・一般教養と論理の合計は、現在では9問にまで減っています。

一方で、60問・100分・満点90点という枠組みは、この期間を通じて変わっていません。

出題範囲についても、2022年度までは一般教養の分野に20世紀史や市民生活・憲法といった詳細な項目一覧が記載されていましたが、現在のシラバスではその一覧は削除されています。

※ 2026年度の省令はまだ公布されていません。確定しているのは試験日(2026年9月30日)のみです。出題構成が再び変更される可能性があるため、省令の公布後に必ず最新版をご確認ください。

出願から結果発表までの流れ

IMATの受験には、試験そのものの申込に加えて、大学への出願手続きが必要です。国によって手続きが異なるため、早めの準備が欠かせません。

段階内容
① 省令の公布文部省がその年の試験日・定員・試験内容を定めた省令を公布します。
② Universitalyでの登録イタリアの公式ポータル Universitaly で受験登録を行い、志望校を順位づけして登録します。
③ 在外公館での手続きNon-EU枠で国外から出願する場合、在住国のイタリア大使館・領事館を通じた出願手続き(プレエンロールメント)が必要です。
④ 受験指定された会場で受験します。試験は紙媒体のマークシート方式です。
⑤ 結果発表匿名の成績が公表された後、Universitaly の個人ページで自分の点数を確認できます。
⑥ 順位表の公表全国順位が公表され、志望順位と定員に応じて配属先が決まります。
⑦ 繰り上げ(scorrimento)入学手続きをしない合格者が出た場合、順位に従って繰り上げが行われます。

※ 各段階の具体的な日程は年度ごとに異なります。出願期限を1日でも過ぎると受験できないため、省令の公布後すぐに、その年のスケジュールをご確認ください。

過去問は公式に公開されています

IMATの過去問は、文部省の公式サイトで公開されています。2011年度以降の問題を確認することができます。

公開されている問題冊子は、すべての設問で選択肢Aが正答となるように並べ替えられた版です。これが公式の解答提示の方法になっているため、演習に使う際は選択肢の順序を自分でシャッフルする必要があります。

IMATの対策方法

IMATは出題範囲が公開されているため、「知らなかったから解けなかった」という失点が起こりにくい試験です。差がつくのは、知っている内容を100分のなかで正確に処理し切れるかどうかです。

① 生物を対策の中心に置く

60問中23問、同点時にも最初に参照される生物が、最優先です。用語の暗記だけでなく、仕組みと因果関係を理解しておく必要があります。生物で安定して高得点を取れる状態をつくることが、IMAT対策の土台になります。

② 化学は計算処理の速さを鍛える

化学15問は、理論の理解と計算処理の両方が必要です。とくに化学量論、濃度計算、pH、酸化還元は、手が止まると時間を大きく削られます。解法を思い出す段階ではなく、手が勝手に動く段階まで反復してください。

③ 物理・数学は「取る問題」を決めておく

物理・数学は13問ですが、出題範囲は高校物理・数学の全域に及びます。すべてを完璧にするより、確実に取れる分野を決めて仕上げ、時間のかかる問題は切り捨てる判断を事前に用意しておくほうが現実的です。

④ 論理・読解の9問は過去問で形式に慣れる

論理的推論5問と読解4問は、知識で埋められないぶん対策の方法が見えにくい分野です。公式に公開されている過去問で形式に慣れておくのが最も確実です。出題数が少ないため、ここに過剰な時間を投じるのは得策ではありません。

⑤ 時間配分と解答・非解答の判断を本番形式で練習する

IMAT対策で最も見落とされがちなのが、この点です。科目ごとの区切りがない100分をどう使うか、−0.4点の減点を踏まえてどの問題を空欄で残すか。この判断は、本番と同じ形式・同じ時間で解く経験を積まなければ身につきません。

よくある質問

Q
IMATはイタリア語ができなくても受験できますか?
A

はい。IMATはすべて英語で実施され、イタリア語の能力は問われません。

ただし、大学によっては入学後にイタリア語の履修が求められる場合があります。臨床実習で患者と接する段階までにイタリア語が必要になるため、入学後の学習計画には織り込んでおくことをおすすめします。

Q
IMATは年に何回受験できますか?
A

年1回のみです。私立大学の入試のように複数回のチャンスはありません。

そのため、1回の試験に向けて仕上げ切ることが前提の対策設計になります。

Q
IMATの過去問はどこで手に入りますか?
A

イタリア文部省の公式サイトで公開されており、2011年度以降の問題を確認できます。

ただし公開版は「すべての設問で選択肢Aが正答」となるよう並べ替えられているため、そのまま演習に使うと答えが分かってしまいます。選択肢の順序を入れ替えて使用してください。

Q
何点取れば合格できますか?
A

IMATに「何点以上で合格」という絶対的な合格点はありません。定員に対する全国順位で合否が決まります。

EU枠等では90点満点中20点以上が順位表に掲載される最低条件ですが、これはあくまで足切りラインであり、実際に入学できる点数は年度・大学・枠によって変動します。

Q
IMATの出題構成は変わりますか?
A

はい。これまでに複数回変更されています。2021年度は読解・一般教養12問+論理10問でしたが、2023年度以降は読解4問+論理5問となり、生物が23問に増えました。

毎年の省令で確定するため、対策を始める前にその年の省令を必ずご確認ください。

Q
私立医学部との併願はできますか?
A

できます。むしろ多くの受験生が併願しています。

ただし、私立の入試はIMATとは形式が大きく異なります。論理問題の比重が高い大学もあれば、理科3科目のみの大学もあるため、併願先ごとに追加の対策が必要になる点は考慮しておいてください。

IMATを本番形式で体験する

IMATの対策で最後に効いてくるのは、本番と同じ形式・同じ時間・同じ配点で解く経験です。

mirunoteでは、公式シラバスと過去問分析をもとに、受験科目・問題数・配点・試験時間を本番と同一に揃えたIMAT模試を実施しています。受験後は、IMAT2位合格者による日本語解説と個人成績表で復習できます。

IMATを実施している大学について

IMATは特定の大学の試験ではなく、イタリア各地の国立大学に共通する入試です。そのため、同じスコアで複数の大学に出願でき、志望順位と全国順位に応じて配属先が決まります。どの大学を志望順位の上位に置くかが重要になるため、まずは大学ごとの特徴を確認してください。

教育内容、カリキュラム、学費、生活費、都市の情報、卒業後の進路は、大学完全ガイドにまとめています。

次のステップ:IMATの対策方法を確認する

IMATがどのような試験かを理解できたら、次は「どう合格するか」です。イタリア国立医学部の入試で求められる能力を分解し、科目別の勉強法と本番までの学習スケジュールを解説しています。

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