MIRUNOTE GUIDE
カトリック大学(UniCatt)の入試とは?試験科目・問題数・出題範囲・対策方法を解説
このページの内容
UNICATT|EXAM INFORMATION
カトリック大学(Università Cattolica del Sacro Cuore)は、ローマ校とボルツァーノ校に医学部英語コースを持つ私立大学です。入試は65分で65問というタイトな時間設定に加え、倫理・宗教文化という他大学にはない独自分野が出題されます。
この記事で分かること
本記事の信頼性

mirunote共同代表・個別指導塾長。当サイトでは、イタリア医学部入試の情報や点数の上げ方・ノウハウを発信しています。プロフィールはこちら。
カトリック大学の医学部英語コースは、ローマ校(Gemelli)とボルツァーノ校の2つがあります。ローマ校の附属病院である Policlinico Gemelli は、イタリア最大級の病院のひとつです。
この大学の入試を特徴づけているのは、7つもの分野から65分で65問が出題されるという構成です。論理的推論、生物、化学、物理、数学、一般教養、そして倫理・宗教文化。1問あたりに使える時間は約1分しかありません。
なかでも倫理・宗教文化(Ethical-Religious Culture)は、他のイタリア医学部入試にはほとんど見られない独自の出題分野です。対策が後回しになりやすく、差がつきやすい部分でもあります。
この記事では、カトリック大学の入試がどのような試験なのか、試験科目・問題数・配点・出題範囲、そして対策方法までを、大学公式の募集要項に基づいて解説します。
カトリック大学とはどんな大学か
カトリック大学(Università Cattolica del Sacro Cuore、通称UniCatt)は、ミラノに本部を置くイタリア最大級の私立大学です。医学部はローマ校とボルツァーノ校に置かれています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大学名 | Università Cattolica del Sacro Cuore(UniCatt) |
| 医学部英語コースの所在地 | ローマ校(Gemelli)/ボルツァーノ校 |
| 講義言語 | 英語 |
| 問題数・試験時間 | 65問・65分 |
| 出題分野 | 7分野(論理・生物・化学・物理・数学・一般教養・倫理宗教文化) |
| 選択肢 | 5択 |
| 満点 | 65点 |
| 最低基準点 | 20点 |
| 受験方法 | オンライン(遠隔監督あり) |
ローマ校とボルツァーノ校の違い
試験形式・問題数・配点・出題範囲は、両校でまったく同一です。異なるのは、試験日・出願期限・定員、そして後述するOFAの基準です。
| 項目 | ローマ校 | ボルツァーノ校 |
|---|---|---|
| 試験形式 | 65問65分・7分野 | 同一 |
| 配点 | +1/−0.25/0・満点65 | 同一 |
| 最低基準点 | 20点 | 同一 |
| 出題範囲(Annex A) | 同一 | 同一 |
| OFAの基準 | 各科目40% | 各科目20% |
| 試験日・出願期限 | ボルツァーノ校より早い | ローマ校より遅い |
ボルツァーノ校のほうが出願期限・試験日ともに後になるため、両校を併願すれば、実質的に2回の受験機会を得られます。
※ ローマ校には、これとは別に「Medicine and Surgery, Technologically-oriented(MedTec)」という英語コースがあり、独自の募集要項で運用されています。本記事が扱うのは通常の Medicine and Surgery コースです。
UniCatt入試の試験形式・問題数
入試はすべて英語で実施され、合計65問・65分です。
| 試験科目 | 問題数 |
|---|---|
| Logical Reasoning(論理的推論) | 20問 |
| Biology(生物) | 18問 |
| Chemistry(化学) | 12問 |
| Physics and Mathematics(物理・数学) | 8問 |
| General Knowledge(一般教養) | 2問 |
| Ethical-Religious Culture(倫理・宗教文化) | 5問 |
| 合計 | 65問 |
上記は公式募集要項の記載に基づく表記です。なお、同じ公式資料のOFA基準では、Physics 4問・Mathematics 4問として扱われています。
1問あたり約1分という時間設定
65分で65問というペースは、イタリア医学部入試のなかでもとくに厳しい部類です。
IMATが1問あたり約1分40秒、UCBMが約1分40秒であるのに対し、UniCattは約1分。知識を思い出すのに時間がかかる問題や、計算に手間取る問題をどう捌くかで大きく差がつきます。
予備問題について
ボルツァーノ校の募集要項では、本試験65分に加えて予備問題7問のための7分が設けられることが明記されています(各科目1問ずつ)。予備問題は、いずれかの設問が無効となった場合の差し替え用であり、原則として採点には含まれません。
配点と合格基準・OFA
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| 正答 | +1点 |
| 誤答 | −0.25点 |
| 未解答 | 0点 |
| 満点 | 65点 |
最低基準点は20点です
65点満点中20点以上が、合格判定の対象となるための最低条件です。ただしこれは足切りラインにすぎず、実際の合否は定員に対する順位で決まります。
OFA(追加学習義務)に注意
カトリック大学には、合格しても特定科目の正答率が低いと補講の受講義務が課されるという制度があります。これがOFA(Obblighi Formativi Aggiuntivi)です。
| 科目 | ローマ校(40%基準) | ボルツァーノ校(20%基準) |
|---|---|---|
| Biology(18問) | 7問以上 | 4問以上 |
| Chemistry(12問) | 5問以上 | 2問以上 |
| Physics(4問) | 2問以上 | 1問以上 |
| Mathematics(4問) | 2問以上 | 1問以上 |
これを下回ると、入学後に補講を受講する義務が生じます。1年以内に義務を果たさない場合、進級に影響する定めがあります。
物理と数学はそれぞれ4問しかありませんが、4問中2問(ローマ校)を落とすとOFAの対象になるため、出題数が少ないからといって捨て科目にはできません。
同点だった場合の順位
同点の場合は、以下の順に得点が比較されます。
- ① 論理的推論
- ② 生物
- ③ 化学
- ④ 物理・数学
- ⑤ 一般教養
- ⑥ 倫理・宗教文化
- ⑦ 年少者
最初に参照されるのが論理的推論である点は重要です。20問という最大の出題数に加えて、同点時にも決め手になります。
UniCatt入試の出題範囲
カトリック大学の出題範囲は、募集要項に添付されたシラバス(Annex A「Scientific knowledge question schedule」)として公開されています。ローマ校とボルツァーノ校で内容に違いはありません。
公式のAnnex Aが対象としているのは、生物・化学・物理・数学の4科目のみです。論理的推論・一般教養・倫理宗教文化については、別の形で準備方法が案内されています。
| 試験科目 | 主な出題分野 |
|---|---|
| 生物(18問) | 生体化学と弱い相互作用、生体分子と酵素、細胞と細胞小器官、細胞膜と物質輸送、細胞周期と細胞増殖、バイオエネルギクス、光合成・解糖系・呼吸・発酵、生殖と遺伝、メンデル遺伝、古典遺伝学、分子遺伝学、ヒト遺伝学、バイオテクノロジー、突然変異と進化、ヒトの解剖生理と恒常性 |
| 化学(12問) | 物質の凝集状態、理想気体の法則、原子構造と同位体、周期表と周期的性質、化学結合と分子間結合、無機化合物の命名と性質、化学量論、溶液と濃度、水溶液中の平衡、反応速度と触媒、酸化還元、酸と塩基・pH・加水分解・緩衝溶液、有機化学の基礎 |
| 物理(4問) | 測定と単位系、運動学、力学(力とモーメント・運動の3法則・仕事とエネルギー・運動量)、流体力学、熱学と熱力学、電磁気(キルヒホッフの法則を含む) |
| 数学(4問) | 数と代数(指数・対数・組合せ論の基礎)、式と方程式、関数とグラフ、幾何、三角法、解析幾何(円・放物線・双曲線・楕円)、確率と統計 |
※ 上記は要点をまとめたものです。公式Annex Aの全項目は、カトリック大学模試とは?試験科目・出題範囲・出題基準も解説で分野別の表にまとめています。
論理的推論には公式の項目一覧がありません
論理的推論は20問と最大の出題数ですが、Annex Aには含まれておらず、公式の項目一覧は存在しません。
ただし大学公式サイトでは、約3,000問の問題データベース(過去の出題例を含む)や解説付きの問題集がPDFで公開されており、これが実質的な出題範囲の目安になります。
一般教養にも公式の項目一覧はありません
一般教養は2問のみです。公式の出題範囲は示されていません。出題数が少ないため、この分野に多くの時間を割くよりも、配点の大きい論理的推論・生物・化学を優先するほうが合理的です。
倫理・宗教文化への対策
カトリック大学の入試で最も特徴的なのが、5問出題される倫理・宗教文化(Ethical-Religious Culture)です。
この分野についても公式のAnnex Aに項目一覧はありません。募集要項では「倫理・宗教文化の問題に備えるため、受験生は大学が推奨するテキストを参照することができる」とされ、大学公式サイトに推奨文献のリストが掲載されています。
公式に案内されている推奨文献
- Dignitas Personae|人格の尊厳。生命倫理に関する指針
- Caritas in Veritate|真理に根ざした愛。社会回勅
- Laudato Si'|ラウダート・シ。環境と人間に関する回勅
いずれもカトリック教会の公式文書です。細かな神学的知識を暗記するというより、これらの文書が生命倫理・人間の尊厳・医療と社会・環境と共通善についてどのような立場を示しているかを理解しておくことが対策になります。
信仰は問われません
カトリック大学という名称から誤解されがちですが、出願にあたって特定の宗教を信仰している必要はありません。問われるのは、これらの文書が示す倫理的な考え方への理解です。
5問という配点は、物理4問・数学4問より多く、一般教養2問の倍以上です。「宗教だから」と敬遠して手つかずのまま本番を迎えるのは、得点機会をそのまま放棄することになります。
出願から結果発表までの流れ
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| ① 出願登録 | 大学の出願ポータルから登録します。ローマ校とボルツァーノ校は別々の出願です。 |
| ② シミュレーターの利用 | 出願料の支払い後、公式のオンラインシミュレーター(約3,000問)が利用できるようになります。 |
| ③ 技術チェック | オンライン受験のための機器・通信環境の確認を行います。 |
| ④ 受験 | 自宅からオンラインで受験します(遠隔監督あり)。 |
| ⑤ 結果と順位表の公表 | 順位表が公表され、定員に応じて合否が決まります。 |
| ⑥ 入学手続き | 順位に従って入学手続きを行います。 |
| ⑦ OFAの判定 | 科目別の正答率が基準を下回った場合、追加学習義務が課されます。 |
※ 出願期限・試験日は年度ごと、また校舎ごとに異なります。ローマ校のほうが早い日程になるのが通例です。必ず大学公式サイトの最新の募集要項をご確認ください。
公式教材が比較的充実しています
カトリック大学は、他のイタリア私立医学部と比べると公開されている準備教材が充実しています。
- 約3,000問の問題データベース(PDF)
- 解説付きの問題集(PDF)
- 理科分野の学習用資料(PDF)
- 出願後に利用できるオンラインシミュレーター
ただし、年度ごとの過去問そのものは公開されていません。また、募集要項には「本番の問題はシミュレーターから抽出されるものではない」と明記されています。
UniCatt入試の対策方法
① 論理的推論20問を軸に据える
最大の出題数であり、同点時にも最初に参照される分野です。公式の問題データベースで形式に慣れておくことが、最も直接的な対策になります。
② 生物18問を確実に取り切る
理科のなかで最大の出題数であり、同点判定でも2番目に参照されます。OFAの基準(ローマ校で7問以上)もあるため、安定して得点できる状態にしておく必要があります。
③ 物理・数学は「4問中2問」を死守する
出題数は少ないものの、それぞれ4問中2問を落とすとOFAの対象です。出題範囲は高校物理・数学の全域に及ぶため、広く浅く、基本問題を確実に取れる状態を目指してください。
④ 倫理・宗教文化を空白のままにしない
5問という配点は無視できません。公式推奨の3つの文書について、扱っている主題と基本的な立場を押さえておくだけでも、完全な当てずっぽうとは大きな差が出ます。
⑤ 1問1分の処理速度を体で覚える
UniCatt対策で最も見落とされがちなのがこの点です。知識があっても、1問1分のペースで7分野を切り替えながら解く経験がなければ、本番で時間が足りなくなります。
本番と同じ65問65分・同じ分野構成で解く実戦演習を、必ず事前に積んでおいてください。
⑥ ローマ校とボルツァーノ校の併願を検討する
試験形式が同一で、試験日が異なるため、併願すれば実質的に2回の受験機会になります。またボルツァーノ校のほうがOFAの基準が緩やかです。
よくある質問
ありません。特定の宗教を信仰している必要はなく、出願要件にも宗教に関する条件はありません。
倫理・宗教文化の5問は、大学が推奨する文書が示す倫理的な考え方への理解を問うものです。
大学公式サイトで推奨文献として案内されている3つの文書(Dignitas Personae、Caritas in Veritate、Laudato Si')が基準になります。
生命倫理、人間の尊厳、医療と社会、環境と共通善といった主題について、これらの文書がどのような立場を示しているかを押さえておくことが対策になります。
試験形式・問題数・配点・出題範囲は同一です。
異なるのは試験日、出願期限、定員、そしてOFAの基準です。OFAはローマ校が各科目40%、ボルツァーノ校が20%と、ボルツァーノ校のほうが緩やかです。
できます。試験日が異なるため、実質的に2回の受験機会になります。それぞれに出願手続きが必要です。
年度ごとの過去問は公開されていません。
ただし大学公式サイトで約3,000問の問題データベースと解説付き問題集がPDFで公開されており、出願後にはオンラインシミュレーターも利用できます。なお、本番の問題がシミュレーターから出題されることはないと明記されています。
入学はできます。OFAは入学後に補講の受講義務が課される制度です。
ただし1年以内に義務を果たさない場合は進級に影響する定めがあるため、受験段階から各科目の最低ラインを意識しておくことをおすすめします。
UniCatt入試を本番形式で体験する
65分で65問、7分野という構成は、他大学の対策をそのまま流用しても対応しきれません。本番と同じ分野構成・同じ時間で解く経験が不可欠です。
mirunoteでは、公式シラバス(Annex A)と出題傾向をもとに、受験科目・問題数・配点・試験時間を本番と同一に揃えたカトリック大学模試を実施しています。倫理・宗教文化にも対応しています。
あわせて読みたい
- カトリック大学模試とは?試験科目・出題範囲・出題基準も解説|公式Annex Aの全項目を掲載
- カトリック大学模試|実施日程・受験料・お申し込み
- イタリア医学部 入試ガイド|他大学の入試形式との比較
- 海外医学部入試対策|mirunoteの入試対策・個別指導について
UniCatt入試を実施している大学について
この入試を実施しているのは、カトリック大学です。医学部英語コースはローマ校とボルツァーノ校にあり、試験形式は共通です。
教育内容、カリキュラム、学費、生活費、都市の情報、卒業後の進路は、大学完全ガイドにまとめています。
次のステップ:UniCatt入試の対策方法を確認する
UniCatt入試がどのような試験かを理解できたら、次は「どう合格するか」です。カトリック大学の入試で求められる能力を分解し、科目別の勉強法と本番までの学習スケジュールを解説しています。
